Googleフォームを使ったアンケートは、質問の作成から回答の収集、そしてデータの分析まで、驚くほど簡単に実行できるツールです。ビジネスにおける顧客満足度調査から、イベントの参加登録、個人的な意見収集まで、その用途は多岐にわたります。今日のデジタル社会において、迅速かつ効率的に情報を集めることは非常に重要であり、Googleフォームはそれを強力にサポートしてくれます。この記事では、Googleフォームの基本的な使い方から、さらに一歩進んだ活用術まで、その全てを徹底的に解説していきます。

Table of Contents

1. Googleフォームの基本を理解する：なぜこれほど人気なのか？

Googleフォームは、アンケート作成ツールのデファクトスタンダードと言っても過言ではありません。その人気の理由はいくつかあります。

1.1 無料で手軽に始められるアクセシビリティ

Googleフォームは、Googleアカウントさえあれば誰でも無料で利用できます。特別なソフトウェアのインストールは不要で、Webブラウザからアクセスするだけでアンケート作成を始められます。この手軽さが、個人利用からビジネスまで、幅広い層に受け入れられている最大の理由の一つです。

初期費用ゼロ: 高価なアンケートツールを購入する必要がありません。
どこからでもアクセス可能: インターネット環境があれば、PC、タブレット、スマートフォンからでもアクセスし、作成・編集が可能です。
Googleエコシステムとの連携: Googleドライブに自動保存され、Googleスプレッドシートとの連携もスムーズです。

1.2 直感的な操作性と豊富な質問タイプ

Googleフォームのインターフェースは非常に直感的で、初めて使う人でも迷うことなくアンケートを作成できます。ドラッグ＆ドロップで質問の順番を入れ替えたり、プレビューで実際の表示を確認したりと、ストレスなく作業を進められます。

多様な質問形式:
- 記述式: 短いテキスト回答を求める。
- 段落: 長文回答を求める。
- ラジオボタン: 複数の選択肢から1つだけ選ばせる。
- チェックボックス: 複数の選択肢から複数選ばせる。
- プルダウン: ドロップダウンリストから1つ選ばせる。
- 均等目盛: 1～5段階評価など、段階評価を求める。
- グリッド（複数選択式）: 行と列で構成される選択肢から複数選ばせる。
- グリッド（チェックボックス）: 行と列で構成される選択肢から複数選ばせる。
- 日付: 特定の日付を入力させる。
- 時刻: 特定の時刻を入力させる。
- ファイルのアップロード: 回答者にファイルをアップロードさせる（Googleアカウントのログインが必要）。

1.3 自動集計機能とスプレッドシート連携の強力さ

Googleフォームの最も強力な機能の一つが、回答の自動集計とGoogleスプレッドシートへの連携です。回答が送信されるたびにリアルタイムで集計され、グラフ形式で視覚的にデータを把握できます。

リアルタイム集計: 回答が送信されると同時に、フォーム内で回答の概要がグラフや統計として表示されます。
Googleスプレッドシートへの出力: ワンクリックで全ての回答をGoogleスプレッドシートにエクスポートできます。これにより、より詳細なデータ分析や、他のツールとの連携が可能になります。例えば、過去のデータでは、ある企業の顧客アンケートでGoogleフォームを使用したところ、集計作業にかかる時間が従来の80%削減され、データ分析に集中できるようになったという報告があります。
データ分析の効率化: スプレッドシートの関数やピボットテーブルを活用すれば、高度な分析も可能です。

2. Googleフォーム作成のステップバイステップガイド

Googleフォームを使ってアンケートを作成する具体的な手順を見ていきましょう。

2.1 新しいフォームの作成と基本設定

Googleフォームの作成は、Googleドライブから始めるのが最も一般的です。

Googleドライブにアクセス: drive.google.com にアクセスし、Googleアカウントでログインします。
新規作成: 左上の「+ 新規」ボタンをクリックし、「その他」＞「Googleフォーム」を選択します。
フォームのタイトルと説明:
- タイトル: フォームの目的を明確に示すタイトルをつけます。例えば、「顧客満足度アンケート」や「イベント参加登録」など。
- フォームの説明: アンケートの目的、所要時間、回答のプライバシーポリシーなどを簡潔に記載します。これにより、回答者は安心してアンケートに取り組めます。
設定の調整: フォーム上部の歯車アイコン（設定）をクリックします。
- メールアドレスを収集する: 回答者のメールアドレスを自動的に収集するかどうかを設定します。
- 回答を1回に制限する: 回答者が1回しか回答できないように制限します（Googleアカウントへのログインが必要）。不正な複数回答を防ぎたい場合に有効です。
- 回答を編集できる: 回答送信後に回答者が内容を編集できるようにするかどうかを設定します。
- 概要グラフとテキストの回答を表示: 回答者が送信後に集計結果を確認できるようにするかどうかを設定します。
- プレゼンテーション:
  - 進行状況バーを表示する: 回答者がアンケートの進行状況を把握できる。
  - 質問の順番をシャッフルする: 質問の提示順をランダムにする。テストやクイズで不正を防ぎたい場合に役立ちます。
  - 確認メッセージ: 回答送信後に表示されるメッセージをカスタマイズできます。「ご回答ありがとうございました！」など。

2.2 質問の追加と編集、セクションの活用

質問はアンケートの核となる部分です。様々な質問タイプを組み合わせて、効果的なアンケートを作成しましょう。

質問の追加: 右側のツールバーにある「+」アイコンをクリックして新しい質問を追加します。
質問タイプの選択: 質問ボックスの右側にあるプルダウンメニューから、適切な質問タイプを選択します（例: ラジオボタン、記述式など）。
質問文の入力: 質問内容を具体的に入力します。
選択肢の追加: ラジオボタンやチェックボックスの場合、選択肢を入力します。
- 「その他」の選択肢を追加することもできます。
必須項目の設定: 質問ボックスの下部にある「必須」トグルをオンにすると、回答者がその質問に回答しないと送信できないようになります。
質問の複製と削除:
- 複製: 既存の質問をコピーして、類似の質問を効率的に作成できます。
- 削除: 不要な質問はゴミ箱アイコンで削除します。
セクションの追加: アンケートが長くなる場合、セクションを追加して質問をグループ化すると、回答者にとって分かりやすくなります。右側のツールバーの「等号」アイコンをクリックします。
- セクションのタイトルと説明: 各セクションのタイトルと説明を入力します。
- セクション間の移動: セクションごとに質問を整理することで、回答者は段階的に質問に進むことができます。例えば、最初のセクションで個人情報を収集し、次のセクションで具体的な質問に入る、といった流れを作れます。

2.3 デザインとテーマのカスタマイズ

Googleフォームは、見た目も簡単にカスタマイズできます。

パレットアイコン（テーマ）: フォーム上部のパレットアイコンをクリックします。
ヘッダー画像: フォームの上部に表示される画像をアップロードできます。ブランドロゴや関連する画像を設定すると、プロフェッショナルな印象を与えられます。
テーマの色: フォームの背景色やアクセントカラーを変更できます。
背景色: フォーム全体の背景色を選択できます。
フォントスタイル: 質問やテキストのフォントを変更できます。

2.4 回答の確認とスプレッドシート連携

回答が送信されると、Googleフォーム内でリアルタイムに集計結果を確認できます。

回答タブ: フォーム編集画面の「回答」タブをクリックします。
概要: 各質問に対する回答の概要が、グラフや統計データとして表示されます。これを見るだけでも、大まかな傾向を把握できます。
個別: 個々の回答を一つずつ確認できます。
スプレッドシートへのリンク: 「回答」タブの右上にある緑色のスプレッドシートアイコンをクリックすると、Googleスプレッドシートに全ての回答をエクスポートできます。
- 新しいスプレッドシートを作成: 初めて連携する場合、新しいスプレッドシートが作成されます。
- 既存のスプレッドシートを選択: 以前に作成したスプレッドシートに回答を追加することも可能です。
- スプレッドシートには、回答日時、各質問の回答が自動的に入力されます。これにより、後から詳細な分析を行う際のデータ基盤が完成します。

3. Googleフォームの応用的な活用術

Googleフォームは、単なるアンケートツールにとどまらず、様々な応用が可能です。オウンドメディア

3.1 クイズ機能の活用：教育からイベントまで

Googleフォームには、クイズ機能が搭載されています。これにより、正解・不正解を自動で採点し、回答者にフィードバックを提供できます。

設定でクイズを有効にする: フォームの「設定」タブで「クイズにする」をオンにします。
正解と配点の設定: 各質問に対し、正解の選択肢を指定し、配点（何点にするか）を設定します。
フィードバックの提供: 正解・不正解に対するフィードバックメッセージをカスタマイズできます。例えば、不正解の場合に「関連資料を読んでみてください」といったヒントを提供できます。
用途:
- 学校の小テスト: 生徒の理解度を確認。
- 社内研修の確認テスト: 新しい知識の習得度を測る。
- イベントの参加型クイズ: 参加者のエンゲージメントを高める。
- 採用試験: 特定の知識を問う。

3.2 回答に基づくセクション移動（ロジック分岐）

特定の質問の回答に基づいて、回答者を異なるセクションに誘導する「回答に基づくセクション移動」は、アンケートの質を向上させる強力な機能です。

セクションの作成: まず、誘導したいセクションを事前に作成しておきます。
質問の右側メニュー: ラジオボタンやプルダウン形式の質問で、右下の縦3点リーダーをクリックし、「回答に応じてセクションに移動」を選択します。
誘導先の設定: 各選択肢に対し、移動先のセクションを指定します。
メリット:
- 回答者の負担軽減: 関係のない質問をスキップできるため、回答時間が短縮され、回答者のストレスが軽減されます。
- データ品質の向上: 必要なデータだけを効率的に収集できます。例えば、「あなたは猫を飼っていますか？」という質問で「いいえ」と答えた人には、猫関連の質問をスキップさせることができます。
- パーソナライズされたアンケート体験: 回答者にとってより関連性の高い質問が提示されるため、アンケートの完了率が向上する可能性があります。

3.3 ファイルアップロード機能の活用

Googleフォームでは、回答者にファイルをアップロードさせることも可能です。これは、ポートフォリオの提出、書類の提出、写真の共有などに非常に役立ちます。

質問タイプの選択: 質問タイプで「ファイルのアップロード」を選択します。
ファイル形式の制限: 特定のファイル形式（画像、PDF、ドキュメントなど）のみを許可したり、最大ファイルサイズを設定したりできます。
保存先: アップロードされたファイルは、フォーム作成者のGoogleドライブ内に自動的に保存されます。
注意点: 回答者はGoogleアカウントにログインしている必要があります。機密性の高いファイルを収集する際には、プライバシーポリシーを明記するなど、適切な配慮が必要です。

3.4 フォームへの共同編集者の追加

チームでアンケートを作成する場合、共同編集機能は非常に便利です。

フォーム編集画面の右上: フォーム編集画面の右上にある縦3点リーダーをクリックし、「共同編集者を追加」を選択します。
共同編集者の追加: 共同編集者のメールアドレスを入力し、権限（編集者）を設定します。
メリット:
- 効率的な共同作業: 複数のメンバーが同時にフォームの質問を作成・編集できます。
- レビューと承認プロセス: チーム内で内容をレビューし、承認を得るプロセスをスムーズに行えます。
- 役割分担: 質問作成担当、デザイン担当、データ分析担当など、役割を分担して作業を進められます。

4. Googleフォームの公開と共有戦略

アンケートを作成したら、次は回答者に届けなければなりません。Googleフォームには様々な共有方法があります。

4.1 リンクの共有：メール、SNS、Webサイト

最も一般的な共有方法は、フォームのリンクを共有することです。

送信ボタン: フォーム編集画面の右上にある「送信」ボタンをクリックします。
リンクアイコン: リンクアイコンを選択します。
リンクのコピー: 表示されたリンクをコピーします。必要に応じて「URLを短縮」を選択すると、より短いリンクになります。
共有方法:
- メール: コピーしたリンクをメール本文に貼り付けて送信します。
- SNS: Twitter、Facebook、LinkedInなどのソーシャルメディアにリンクを投稿します。
- チャットツール: SlackやMicrosoft Teamsなどのチャットツールで共有します。
- Webサイト/ブログ: Webサイトやブログ記事内にリンクを埋め込み、「こちらからアンケートにご協力ください」といった形で案内します。

4.2 Webサイトへの埋め込み

Webサイトやブログを持っている場合、フォームを直接ページ内に埋め込むことができます。

送信ボタン: 「送信」ボタンをクリックします。
埋め込み（<>）アイコン: 埋め込みアイコンを選択します。
HTMLコードのコピー: 表示されたHTML埋め込みコードをコピーします。
Webサイトに貼り付け: WebサイトのHTMLエディタや、WordPressなどのCMSのカスタムHTMLブロックにこのコードを貼り付けます。
利点: 回答者はページを離れることなく、フォームに回答できるため、ユーザー体験が向上し、回答率が高まる可能性があります。

4.3 メールでの直接送信

Googleフォームから直接メールでフォームを送信することも可能です。

送信ボタン: 「送信」ボタンをクリックします。
メールアイコン: メールアイコンを選択します。
宛先、件名、メッセージの入力: 送信先のメールアドレス、件名、メール本文メッセージを入力します。
フォームをメールに含める: 「フォームをメールに含める」にチェックを入れると、メールの本文にフォームが表示され、回答者はメールから直接回答を開始できます（一部のメールクライアントでは表示されない場合があります）。
利点: 回答者がメールを開くだけで回答を始められるため、手軽に回答を促すことができます。

5. 回答データの分析と活用戦略

Googleフォームで集めたデータは、ただ集めるだけでなく、分析し活用することで初めて価値が生まれます。

5.1 Googleフォーム内での概要分析

Googleフォームの「回答」タブでは、自動的に生成される概要レポートを使って、手軽にデータを分析できます。 You tube マーケティング

自動生成グラフ: 各質問に対する回答が棒グラフ、円グラフ、テキストリストなどの形式で視覚的に表示されます。
平均値・中央値: 均等目盛などの数値質問では、自動的に平均値や中央値が計算されます。
メリット: 大まかな傾向や多数意見を素早く把握できます。例えば、顧客満足度調査で「非常に満足」の割合が90%を超えていれば、製品やサービスが非常に高い評価を受けていることが一目で分かります。
リアルタイム更新: 新しい回答が送信されるたびに、この概要レポートもリアルタイムで更新されます。

5.2 Googleスプレッドシートでの詳細分析

より詳細な分析には、Googleスプレッドシートへのエクスポートが不可欠です。

データのエクスポート: フォームの「回答」タブから、緑色のスプレッドシートアイコンをクリックして、回答をスプレッドシートにリンクまたはエクスポートします。
スプレッドシートでの分析機能:
- ソートとフィルタ: 特定の条件（例: 「不満」と回答した人の性別）で回答を絞り込んだり、並べ替えたりできます。
- 条件付き書式: 特定の回答（例: 低評価の回答）を強調表示して、視覚的に目立たせる。
- ピボットテーブル: 複数の質問項目を組み合わせて集計し、複雑なクロス集計や傾向分析を行います。例えば、「性別ごとの満足度」や「年齢層ごとの利用頻度」などを分析できます。
- 関数: COUNTIF（特定の回答数を数える）、AVERAGE（平均を計算する）などの関数を使って、具体的な数値を算出します。
- グラフの作成: スプレッドシートのグラフ機能を使って、よりカスタマイズされたグラフを作成し、レポートに活用できます。
- 重複の削除: 回答を分析する前に、重複している回答を削除してデータの正確性を保ちます。
データ結合: 他のデータソース（例: 顧客リスト、売上データ）とスプレッドシートを結合し、より多角的な分析を行うことも可能です。

5.3 回答データの活用事例

収集したデータは、具体的な行動に繋げることで最大限に活用できます。

製品・サービス改善: 顧客満足度アンケートの結果から、製品の改善点や新機能開発のヒントを得る。例えば、あるEコマース企業がアンケートで「配送スピードに不満」という意見が多かったことから、配送業者を見直し、翌月には顧客満足度が15%向上したという事例があります。
マーケティング戦略の調整: ターゲット層の嗜好やニーズを把握し、広告コンテンツやプロモーション戦略を最適化する。
イベントの企画: イベント参加者の興味や要望を事前に把握し、プログラムやコンテンツを調整する。
人材育成: 社員アンケートから、研修ニーズや福利厚生への要望を抽出し、人材開発プランに反映する。
意思決定のサポート: 客観的なデータに基づいて、経営戦略や事業方針を決定する。例えば、新しい市場への参入を検討する際に、Googleフォームで市場調査を行い、その結果を元に意思決定を行うことができます。

6. Googleフォーム利用時の注意点とデータ倫理

アンケートは強力なツールですが、利用する際にはいくつかの注意点があります。特にデータプライバシーと倫理的な側面は重要です。

6.1 プライバシーとセキュリティ

回答者の個人情報を扱う場合、その取り扱いには細心の注意が必要です。

匿名性の確保: センシティブな内容のアンケートでは、回答者の匿名性を確保することが重要です。「メールアドレスを収集する」のチェックを外す、個人を特定できる情報を質問しないなどの配慮が必要です。
利用目的の明確化: 回答を何に利用するのかを明確に提示し、回答者の同意を得ましょう。フォームの説明欄に記載するのが一般的です。
データの保護: 収集したデータはGoogleドライブに安全に保管されますが、共有設定を適切に行い、不要なアクセスを防ぐことが重要です。特定の個人に紐づくデータは、プロジェクトが終了次第、速やかに削除または匿名化することも検討すべきです。
GDPRやCCPAなどの規制遵守: 回答者がEUやカリフォルニア州の住民である場合、GDPR（一般データ保護規則）やCCPA（カリフォルニア州消費者プライバシー法）などのデータプライバシー規制を遵守する必要があります。これには、データの取得方法、保存期間、利用目的の透明性などが含まれます。

6.2 質問設計の工夫とバイアスの排除

良いアンケートは、質問の質に大きく左右されます。

明確な質問文: 曖昧な表現を避け、誰が読んでも同じように解釈できるような明確な質問文を心がけます。
誘導尋問の回避: 特定の回答に誘導するような質問は避けます。例えば、「当社の優れた製品についてどう思いますか？」ではなく、「当社の製品について、ご意見をお聞かせください」とするなど。
適切な選択肢: 選択肢は網羅的かつ互いに排他的であるべきです。「はい」「いいえ」だけでなく、「どちらとも言えない」や「該当なし」といった選択肢も用意すると、より正確な回答が得られます。
質問の順番: 質問の順番も回答に影響を与えることがあります。一般的には、簡単な質問から始め、徐々に具体的な質問、最後に個人情報に関する質問を配置すると良いとされています。
プレテストの実施: 大規模なアンケートを実施する前に、少数の人に回答してもらい、質問の分かりやすさや回答時間の妥当性を確認する「プレテスト」を行うことを強く推奨します。これにより、公開後の修正の手間を省き、データの品質を向上させることができます。

6.3 倫理的なデータ利用と報告

収集したデータは倫理的に利用し、報告する必要があります。

虚偽の報告をしない: 都合の良いデータだけを抜き出したり、意図的に解釈を歪めたりすることは避け、客観的な事実に基づいて報告を行います。
偏見の排除: データ分析を行う際も、自身の先入観や偏見が結果に影響しないよう注意します。
結果の共有: 回答者に対して、アンケート結果の概要や、それに基づいてどのような改善が行われたかをフィードバックすることで、次回のアンケートへの協力意欲を高めることができます。

アンケートは、人々から意見や情報を集めるための素晴らしい手段です。しかし、その過程で、収集されるデータはあくまで個人のものです。私たちは、預かったデータを尊重し、その真価を最大限に引き出しつつも、常に倫理的な責任とプライバシーへの配慮を忘れてはなりません。アンケート結果を元に、より良い社会やサービスを築いていくことこそが、このツールの最も価値ある活用方法であると言えるでしょう。

7. Googleフォームと他のツールとの連携

Googleフォームは単体でも強力ですが、他のGoogle製品や外部ツールと連携することで、その可能性はさらに広がります。

7.1 Googleスプレッドシートとの高度な連携

前述の通り、Googleフォームの回答はGoogleスプレッドシートにリアルタイムで連携されます。この連携をさらに深く活用することで、データ分析の自動化や可視化を強化できます。

GAS (Google Apps Script) を使った自動化:
- メール通知の自動化: 新しい回答が提出された際に、特定のメールアドレスに通知を送るスクリプトを作成できます。例えば、緊急性の高い問い合わせフォームの場合、担当者に即座に通知を飛ばすことで、迅速な対応が可能になります。
- 回答内容に応じた処理: 特定の回答内容に応じて、スプレッドシート内でセルの色を変更したり、別のシートにデータをコピーしたりする自動処理を設定できます。これにより、手作業での分類や整理の手間を大幅に削減できます。
- 定期レポートの自動生成: 収集したデータを元に、毎日または毎週、特定のフォーマットでレポートを自動生成し、指定した関係者にメールで送信するスクリプトを作成することも可能です。
- データクレンジングの自動化: 入力されたデータ形式を統一したり、誤字脱字を自動修正したりするスクリプトを記述することで、データ分析の精度を高めることができます。例えば、電話番号のハイフンを自動で統一するなどが考えられます。
Googleデータポータル (Looker Studio) との連携:
- GoogleスプレッドシートをデータソースとしてGoogleデータポータル（旧Looker Studio）に接続することで、フォームの回答データを基に、より高度でインタラクティブなダッシュボードやレポートを作成できます。
- これにより、リアルタイムの回答状況を美しいビジュアルで共有したり、複数のフォームデータを統合して分析したりすることが可能になります。
- 専門的なBIツールを使うことなく、専門家でなくても分かりやすい形式でデータを共有できるため、意思決定のスピードアップに貢献します。

7.2 Googleカレンダーとの連携：イベント登録

Googleフォームは、イベントの参加登録フォームとしても非常に優れています。さらにGoogleカレンダーと連携することで、参加登録からスケジュール管理までを一貫して行えます。 Ltv サブスク

イベント登録フォームの作成:
- 参加者の名前、メールアドレス、参加希望日・時間などの質問項目をフォームに含めます。
- 「日付」や「時刻」の質問タイプを活用することで、正確な日時情報を収集できます。
ZapierやIFTTTなどの連携ツールを使用:
- これらのツールを使うと、「Googleフォームに新しい回答が送信されたら、Googleカレンダーにイベントを作成する」といった自動化ルールを設定できます。
- これにより、参加登録が完了した時点で、自動的にカレンダーにイベントが追加され、参加者へのリマインダーも設定できるようになります。
- 例えば、ウェビナーの参加登録フォームで、登録が完了すると同時に参加者のカレンダーにウェビナーの日程が追加されるように設定することで、参加忘れを防ぎ、満足度を高めることができます。

7.3 Googleドキュメント、Googleスライドとの連携

Googleフォームで収集したテキストベースの回答は、Googleドキュメントにまとめたり、Googleスライドのプレゼンテーションに活用したりすることができます。

Mergadoなどのアドオンを活用:
- Google Workspace Marketplaceには、フォームの回答を元にテンプレート化されたGoogleドキュメントやスライドを自動生成するアドオン（例: Autocrat, Form Publisherなど）があります。
- これにより、個別に対応が必要な申請書や証明書、パーソナライズされた感謝状などを、フォームの回答から自動で作成することが可能になります。例えば、研修の修了証を、参加者の名前や修了日などの情報をフォームから取得して自動生成する、といった活用ができます。
レポート作成の効率化:
- フォームで収集した意見やフィードバックをGoogleドキュメントで整理し、分析結果をグラフ化したスプレッドシートを貼り付けたり、データポータルで作成したダッシュボードのスクリーンショットを貼り付けたりすることで、効率的にレポートを作成できます。
- Googleドキュメントの共同編集機能を使えば、チームでレポート作成を進めることも容易です。

7.4 その他の外部ツールとの連携

Googleフォームは、ZapierやIFTTTといったノーコード/ローコードの連携プラットフォームを介して、数多くの外部サービスと連携できます。

CRM (顧客関係管理) システム: 新しい顧客からの問い合わせをフォームで受け付け、SalesforceやHubSpotなどのCRMシステムに自動的にリードとして登録する。
メールマーケティングツール: イベント登録者やニュースレター購読希望者の情報をGoogleフォームで収集し、MailchimpやBenchmark Emailなどのメールマーケティングリストに自動で追加する。
プロジェクト管理ツール: タスクの依頼やバグ報告をフォームで受け付け、AsanaやTrelloなどのプロジェクト管理ツールに自動的にタスクとして登録する。
会計ソフト: 経費申請フォームの情報を会計ソフトに連携し、経理処理を効率化する。

これらの連携を駆使することで、Googleフォームは単なるアンケートツールから、ビジネスプロセス全体の自動化と効率化を推進するハブとなり得ます。初期設定には少し手間がかかるかもしれませんが、一度構築してしまえば、日々の業務を大幅に削減し、より価値の高い業務に集中できるようになるでしょう。

よくある質問

Googleフォームの作成に費用はかかりますか？

いいえ、GoogleフォームはGoogleアカウントがあれば無料で利用できます。

Googleフォームはどこで作成できますか？

Googleドライブ（drive.google.com）にアクセスし、「+ 新規」＞「その他」＞「Googleフォーム」から作成できます。

アンケートの回答を匿名にできますか？

はい、フォームの設定で「メールアドレスを収集する」のチェックを外し、個人を特定できる質問をしないことで、回答を匿名にできます。

回答者がアンケートを1回だけ回答するように制限できますか？

はい、フォームの設定で「回答を1回に制限する」を有効にすることで可能です。ただし、回答者はGoogleアカウントにログインしている必要があります。

フォームの質問の順番をシャッフルできますか？

はい、フォームの設定の「プレゼンテーション」タブで「質問の順番をシャッフルする」を有効にすることで可能です。

回答をリアルタイムで確認できますか？

はい、フォームの「回答」タブでリアルタイムに集計された概要グラフや個別の回答を確認できます。 Google ads アカウント

Googleフォームで集めた回答をExcelで開くことはできますか？

はい、フォームの回答はGoogleスプレッドシートに連携され、そのスプレッドシートはExcel形式でダウンロード（ファイル＞ダウンロード＞Microsoft Excel）できます。

フォームに画像や動画を埋め込むことはできますか？

はい、質問の追加メニューから画像や動画（YouTubeリンク）をフォームに挿入できます。

回答の受付を途中で停止することはできますか？

はい、フォーム編集画面の「回答」タブ上部にある「回答を受付中」のトグルをオフにすることで、回答の受付を停止できます。

フォームにファイルをアップロードさせることはできますか？

はい、「ファイルのアップロード」質問タイプを使うことで、回答者にファイルをアップロードさせることができます。ただし、回答者はGoogleアカウントにログインしている必要があります。

特定の回答によって次の質問を変えることはできますか？

はい、「回答に応じてセクションに移動」機能を使うことで、特定の質問の回答に基づいて、回答者を異なるセクションに誘導できます。

フォームの共同編集はできますか？

はい、フォーム編集画面の右上にある縦3点リーダーから「共同編集者を追加」を選択し、他のユーザーを招待できます。

Googleフォームはスマートフォンからでも作成・編集できますか？

はい、Webブラウザを通じてスマートフォンやタブレットからでもGoogleフォームの作成・編集が可能です。

クイズを作成することはできますか？

はい、フォームの設定で「クイズにする」を有効にすることで、正解と配点を設定し、自動採点されるクイズを作成できます。

アンケートの回答者に結果を共有できますか？

はい、フォームの設定で「概要グラフとテキストの回答を表示」を有効にすると、回答者は回答送信後に集計結果の概要を見ることができます。

フォームの背景色やフォントを変更できますか？

はい、フォーム編集画面のパレットアイコン（テーマをカスタマイズ）から、色やフォント、ヘッダー画像をカスタマイズできます。 Youtube seo ツール

回答完了後に表示されるメッセージをカスタマイズできますか？

はい、フォームの設定の「プレゼンテーション」タブで「確認メッセージ」を編集することで、表示されるメッセージを自由に設定できます。

作成したフォームをWebサイトに埋め込むことはできますか？

はい、フォームの「送信」ボタンから「埋め込み（<>）アイコン」を選択し、生成されたHTMLコードをWebサイトに貼り付けることで埋め込みが可能です。

Googleフォームと他のGoogleサービス（例: カレンダー）を連携できますか？

直接的な連携は限られますが、ZapierやIFTTTなどの外部連携ツールを利用することで、Googleフォームの回答をトリガーとしてGoogleカレンダーにイベントを作成するなどの自動化が可能です。

長いアンケートでも回答者が途中で諦めないようにするコツはありますか？

質問の量を適切に調整し、セクション機能を使って質問をグループ化し、進行状況バーを表示することで、回答者の負担を軽減し、完了率を高めることができます。

アンケート グーグル 使い方